習い事についてのお話 1

習い事の種類と特徴

習い事には行ったその場で楽しむ、何かを経験するというものと、家で課題をこなさなければならないものがあります。

運動関係のアクティビティは、(試合に勝つなどの目標があり、その場だけでの練習で足りない場合は家でも練習することが必要ですし、また集まる頻度自体も上がると思いますが、)楽しみのために行っているものの場合はその場だけで済むことも多いです。またはその場でしかできない、というものもありますね。ダンスやバレエなどもそのカテゴリーに入ると思います。他にアート、コンピューターなどもその場で徐々に仕上げていく形をとるのではないでしょうか。

ここでのお話は、そういうふうにもできる、ということで、本来上手になりたければどんなものでもその習い事の開催日以外の日に自分でも練習や準備はするものかと思いますが、それはここでは置いておくことにいたします。

音楽の習い事というのは、そんな中にあって、必ず練習をレッスンとレッスンの間にしないと成り立たない習い事です。(そうはいってもどうしてもできない生徒さん、できない環境、というのもあることも理解できますし、またそうであっても長い間レッスンに通い、毎週先生とやり取りをする中で楽器を弾くだけでなく、さまざまなことを得て成長できます。ある日何かがクリックして練習し始めることも、急に進むこともありますので、お子さんの状態に合わせて、見守りが必要な場合にはそのようにお声がけしています。)

たとえばプロを目指す場合、その目標が明確な場合には、幼い頃から毎日何時間も練習しますし、それを生活の中心にしています。ですが、一般のお子さんの場合、まずは学校(そして塾)の勉強が中心ですし、そこへ学校の行事やさまざまな習い事などが加わり、毎日とても忙しい生活を送っています。そんな中時間を作り出すのは、時に非常に難しいですし、お子さん自身でそれを管理するのは困難です。

たとえ今プロになっている音楽家の先生たちも、ほとんどの場合、子供の頃に練習が大好きで、何も言われなくても練習したなどという人はいません。何人もの人がそう言って笑って話してくれました。

お子さんの音楽の習い事だけは、どうしてもお家での家族の方の協力が必須です。ちょっとした声がけ、特に褒めてあげること、時間でリマインダーをすること、この2つだけで大きく違います。習い初めの頃であれば、本当に毎日5分、10分で構いません。とにかく楽器の蓋を開け、楽器に触ってください。「上手にできたね」「よかったよ」「もっと聞かせてほしいな」そんな声がけだけで、変わります。お忙しいと思いますが、ほんのちょっとの気の持ち方で変わりますので、ぜひ”一言”かけてあげてください。夕食の支度をしながら、横目で練習の様子を見ながら声をかけてもらえるだけでも、つきっきりで練習に付き合うのでなくても、大丈夫です。朝登校前にほんの数回、朝の準備運動のように、ちょっと弾いてから出かけるのもおすすめです。毎日触る癖をつけて、数回繰り返して指を動かしてもらうだけでも、レッスン時の進みが格段に変わりますのでよろしくお願いいたします。

プロにならない人こそ続けてください

音楽で生活していこうと思って楽器をやっている人は、それが中心の生活です。むしろそれ以外のことを、どうやってうまく毎日の生活に入れていくか、音楽自体にも取り入れていくかという観点になるかと思います。

反対に、学校の勉強や部活が主体で、将来は勉強で、はたまたスポーツで、大学に行ったり就職したりと考えている人にとっては、音楽は癒しであり、机の上の勉強とは違う学びを教えてもらうソースであり、自分を表現するツールであり、存分に楽しみ、発散させる場所ではないでしょうか。ぜひできるだけ長く続けてください。きっとあなたの人生を豊かにしてくれると思います。