By オペラ団フレスカリア
今まで色々有名なオペラ劇団の講演なども多数観ましたが、今回非常に興味深かったです。ピアノの伴奏のみで、合唱とソロの声楽家だけで進めるオペラですが、途中から歌を楽しんでいると伴奏にオーケストラがないことも気にならないほどでした。主役及び主要人物たちはもちろん、アマチュアだという合唱団の方達の、単なる歌のうまさにとどまらない村人の存在感が素晴らしく、良い驚きをもらいました。コロナもあり非常に久しぶりの講演だったようですが、また近く新しい企画があれば伺いたいと思います。
今年春のMusikHouseのサロンコンサートをピアノとバイオリンで行った時に、彼女たちがアンコールでこのオペラの間奏曲(Intermezzo)を演奏しました。この曲が非常に美しいことで特に有名なオペラですが、内容は田舎の一般人の人情沙汰のドラマというギャップが、なんとも言えないコントラストです。それが最後の悲劇をかえって(悪い予感として)想像させるということなのですが、どうしてここまで美しい曲で作ったのか、間奏曲に限らずどの曲も不思議なくらい美しいです。以下オペラの簡単な説明を載せておきます。
「復活祭の朝、シチリアのとある田舎町の広場。サントゥッツァは、居酒屋を営むルチアに彼女の息子トゥリッドゥから冷たくされていることを嘆いている。サントゥッツァは、昨夜恋人のトゥリッドゥが荷馬車屋の妻ローラの家の近くにいるのをみてしまった。トゥリッドゥは彼が戦争に行く前からローラと恋人どうしだったが、戻った時にローラはアルフィオと結婚していた。トゥリッドぅはそれを忘れるためにサントゥッツァと深い仲になったが、ローラは人妻でありながらそれに嫉妬をしてトゥリッドゥを誘惑し再びよりが戻ったのだと訴える。ルチアが教会のミサへと立ち去ると、恋人トゥリッドゥが現れ、サントゥッツァは彼の裏切りを責めたてる。そこにローラが通りかかり、トゥリッドゥは彼女について教会の中に入って行ってしまう。激しい嫉妬にかられるサントゥッツァ。入れ違いに現れたアルフィオに、彼の妻ローラの不貞を密告する。アルフィオは怒りに燃え、復讐を誓う。<ここで有名な間奏曲が入ります>ミサが終わり教会から出てきたトゥリッドゥはローラを連れてルチアの居酒屋へ。酒盛りが進むなか、アルフィオが店に入ってくる。皆に酒をふるっまっていたトゥリッドゥが差し出したグラスをアルフィオは拒絶する。すべてを察したトゥリッドゥは(シチリア流に)アルフィオの耳を噛んで決闘の申し込みをした。トゥリッドゥは、死を予感してか「もしも自分が戻らなかったらサントゥッツァをよろしく頼む」と母に告げる。胸騒ぎを覚えるルチアとサントゥッツァ。やがて遠くで人々の騒ぎ声と銃声が聞こえ、「トゥリッドゥが殺された!」と女の叫びごえがして、2人は気を失って倒れてしまう。そして幕が下りる。」